○だ〜れもいない!
ある夜、非通知電話で「車の鍵をなくしたんですぐに来て!」と緊急出動要請が入り、早速場所と本人の携帯番号を確認し出動しました。真冬の寒空の下で待っておられるお客さんが気の毒に思いつつ現場に到着。あたりを見回しても誰もいません。「場所を間違えたかなあ?」と思い、携帯電話に連絡したら「この番号は現在使われておりません・・・」と。メモを見直しても間違いない。「やられた!」結局30分くらいその場で待機しましたが本人は現れず。次の緊急依頼もあったので退散しました。この日以来、非通知電話の場合、自宅住所・電話番号の確認と再度番号通知で電話してもらうよう注意しています。
○私が未熟だった・・・・
「○○社製の○リ○マという車の鍵を失くした!」聞き慣れない車名だったのでとりあえずカギの形状(これによって値段や段取りが変わるため)を確認しました。一般的な形状のカギということなのでその心つもりで出動しました。約30分後に現場に到着。作業開始しましたが、カギ穴を覗くと見たことの無い形状をしており、お客さんに聞くとウェーブキー(溝キー)とのこと。当時私はこのタイプのウェーブキーを手掛けておらず、結局お客さんに依頼を断って帰りました。帰りの道中、自分の未熟さに悔しい気持ちと、お客さんに申し訳ない気持ちで一杯になりました。こんな悔しい思いはコリゴリと奮起し、今では勉強の甲斐あって対応できるようになりました!
○同業者さんに応援を依頼・・・
私がカギ屋を職業とするようになって5年。今ではある程度の経験を積んで技術も身につけたと自負していますが、始めた当初は色々失敗しました。その中で一番思い出深い出来事といえば、車の開錠作業の際、開錠工具が車の部品に引っかかりどうする事も出来ず、同業者さんにお世話になった事です。1時間くらい自分で頑張ってみましたが、とても無理と判断した末の選択だした。その業者さんは片道1時間もかけてわざわざ来てくれました。ほんの5分くらいで開錠していただいた時は本当に助かりました。開錠してもらった後は引っかかった部品の修理をし難なきを得ました。事務所に戻ってから早速原因究明に没頭しました。対策方法も見い出し最近は不安を感じずに作業をすることが出来ています。
ウェーブキー
鍵屋という商売は、いつ何時に緊急出動の依頼が入るかわかりません。そのため、たまには旅行にでも行ってのんびりするかー!と言ったことは出来ません。家族サービスもろくに出来ない商売なんです。サラリーマン時代は、月1回のペースで旅行に出掛けていたものです。今でも「サラリーマンに戻りたい!」と思う事がよくあります、休みは多いし収入も保障されているし。でも今となっては手遅れ、鍵屋としてこれからも頑張っていかなければいけません。考え方を変えれば、鍵屋は休みたい時に休める商売でもあります。たまには家族を温泉にでも連れてってやるか!と思いながらもなかなか実現出来ず葛藤に喘いでいる毎日です。
○鍵屋は体力・忍耐力が大事!
ある夜、とあるマンションの駐車場に車の紛失キー作成に出かけた時の事です。現場に到着後、お客さんに免許証の提示のお願いと、誓約書の記入をしてもらい、その後車検証との照合をして問題がなかったので作業に取り掛かりました。作業中は基本的にお客さんの立会いのもと行なう必要があるので、お客さんにその旨をお伝えして立ち会っていただきました。しばらくしてお客さんが、「ちょっとそこのコンビニに行ってきますわー!」と言ってその場を去られました。ほんの2,3分後、パトカーが来たので「なにかあったんかなあ?」と思いつつ作業をしていました。「何をしてるんですかあー?」と声が聞こえので振り返ってみると、お巡りさんがこちらに近づいて来ました。お巡りさんは、「住人の方からの通報で駐車場に怪しい人がいる、というので来ました」私はなんのことかわからず、「そんな人見てませんよ」といってまた作業再開。「あなたですよ!何してるんですか?」「はあ?車のカギを作ってるんですよ」なんと、私が”怪しい人”だったみたいで、大慌てで事情を説明し、私の名刺と防犯設備士の資格証を提示しました。ちょうどその時、コンビニに行っていた”証人”が帰ってきたのでお巡りさんに”証言”してもらい、事なきを得ました。鍵屋をやっていると、いろいろありますなあ!
今までの経験上、鍵屋という商売は体力・忍耐力がなければ続けられません。仕事が多い時は一日に5件、6件、仕事の内容によっては1つが終わるのに2時間、3時間必要というケースも珍しくありません。また、炎天下や真冬の吹雪の中での仕事もよくあります。このような環境で仕事をしている時は、はっきり言って途中で投げ出したくなることもあります。特に鍵開けがなかなかうまくいかない時なんかは。しかし、待っているお客さんの事を考えるとなんとかしなければならず、指先の感覚が麻痺しても、膝がガクガクしても歯を食いしばってやり遂げます。あとで思うのですが、これだけ頑張れる自分の体力・忍耐力に我ながら感心してしまうことがよくあります。日頃、体力を維持するためにボクサー時代から続けているトレーニングの賜物ですね(笑)。これだけはどんなに忙しくても続けていくつもりです。体力が充実すれば、気力・忍耐力もおのずとついてくるものなんです!
6月4日更新
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ここでは今まで鍵の仕事をしてきた中で体験した鍵屋ならではの苦労話をご紹介します。



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○アルコールはご法度!
私たち鍵屋は、いつ緊急出動の要請があるかわかりません。一日暇な時もあれば、そこら中走りまわっている日もあります。いつ、何時でも即対応できる態勢をとっておく必要があるため、アルコール類はうかつに飲めません。すごく忙しく、帰って一息ついた時にビールでも飲みたい!と思うときもあります。特に夏場なんかは。でも我慢します。もし我慢出来ずに飲んでしまったらあとの仕事は本部に任せてしまいます。(逆の場合もあり)
しかし、地域によってはレスポンスが遅れてしまうため、お客さんにご迷惑をかけかねません。だから、なるべく我慢します!(泣)
よく仕事先でお客さんに「鍵屋は儲かるでしょ?」と聞かれます。いやいや、そんなことはないですよ!一昔前(1998年あたり)にピッキング被害が急増したころは、鍵交換やピッキング対策の需要が急増し、カギ屋さんの数も一気に増えました(いわゆる鍵バブル)。そのころは確かにカギ屋は儲かる商売だったかも知れません。しかし、その後ピッキング対策が全国的に浸透していくにつれて需要は右肩下がりとなり、今ではカギ屋さんの数も鍵バブル前の数に戻ったそうです。今でも残って頑張っているカギ屋さんは、生き残るために色んな工夫をしてきた人たちだと思います。例えば、在庫を持ちすぎない、専門工具は出来るだけ自分で作る、安い仕事も喜んでやる、新しいものを見極め抵抗無く受け入れる柔軟性、地道な営業活動などなど。特に営業活動は大切です。カギ屋は道具を揃えたら出きる、ってもんじゃありません。物をそろえてもお客さんからの依頼がなかったらなんにもなりません。
私が本部・宮嶋に師事し始めたころ、昼間は自分で作ったチラシを持って一軒一軒営業に回り、夜は弁当工場でアルバイトをしながら生計を立てていました。カギの仕事は自分が撒いたチラシを見て電話してくれるお客さんだけで、はじめの頃は全くといっていいほど仕事はありませんでした。収入もままならない状態でも機械や工具・部材はそろえないといけないので、本当にしんどかったです。その頃の辛さを知っているから今の自分があると思います。今は出張所として独立できましたが、今でも夫婦共働きしなければ食べていけないのが現状です。
○鍵屋は水商売。そんなに甘くないです!
○ドロボウさんに間違われた!?